真夜中の繭の中で

真夜中の監視者
明けない夜に肚を視る
身動きはできないし
心も動かない

完全変態のとろけた肚は
いつ成体のそれになるのか
待ち望んだのはいつまでだったか
今は ただその吹き溜まりを覗いている

繭の中の監視者
開かない円環に己が肚を視る
身動きはできないし
心も もう動かない

真夜中に輪郭をなくし
拡がり希薄する心
繭の中にとらわれ
えんえん閉じてゆく体